三洋貿易は9月8日、同社が設備を納入した静岡県小山町のバイオマスガス化・コージェネレーション(熱電併給)システムが本格的に運転を開始し、9月4日に竣工式を開催したと発表した。
同施設は、富士総業(静岡県小山町)が設立した特別目的会社(SPC)FOREST CYCLE(フォレストサイクル)が事業主体となる。まず、国産材から木質チップ・ペレットを製造する。敷地内の木質バイオマス発電所は、製造した木質ペレットをガス化して可燃ガスを取り出して内燃エンジン発電機を稼働させる。発電した電力は固定価格買取制度(FIT)に基づき売電し、排熱をペレット製造の乾燥工程に使う。
ガス化・熱電併給設備の出力は495kW(165kW×3基)、予想年間発電量は約370万kWhの見込み。木質ペレットの製造量は年間6000tの予定。FITによる買取価格は40円/kWh、買取期間は20年間。三洋貿易は、独Rudnick & Enners製チップ加工設備、米CPM製ペレットミル、独ブルクハルト(Burkhardt)製の木質バイオマスガス化・熱電併給設備を納入し、保守メンテナンスも担当する。
小山町では、2018年9月から木質バイオマス発電所「森の金太郎発電所」を運営している。同発電所は、2020年7月に火災事故が発生し運転停止していたが、2022年1月に復旧工事が完了し現在は再稼働している。三洋貿易は、同発電所にもブルクハルト製バイオマス発電設備を納入しており、今回は小山町で2カ所目の設備納入となる。